そもそも母の日にカーネーションを贈る習慣は、

1905年・5月9日、アメリカにすむ少女が、

母の死に遭遇した事で、

生前に母を敬う機会を設けようと、働きかけた事に由来するという。。。

母が健存であれば赤いカーネーションを。

亡くなっていれば白いカーネーションを胸に飾るようになり、

これが『母の日』にカーネーションを贈る習慣に変化していった。。。



ちょうど一年前の5月5日。

長い闘病生活も、自分の強い精神で乗り切ってきた実姉が、

天へ旅たった。

42歳という若さに、残された家族は皆、

やり切れない想いにかられていた。

奇しくも『母の日』を目前にひかえた『子供の日』。

残された、まだ幼い3人の子供達の姿を見ては、

『大人の私がオロオロしてどうする』と、

自分に言い聞かせながら、通夜・葬儀をむかえた。

姉の棺は、今まで見たことのないくらい、

色とりどりの花々でいっぱいになり、

最後に子供達から、白いカーネーションのブーケが入れられた。

その3つの白いブーケが、よりいっそう悲しみを増したのを、

今も鮮明に思い出す。。。



姉が大切に育ててきた3人の子供達。

現実を静かに受けとめながら、この春それぞれの新しい世界へと歩き始めた。。。

私が花屋でいるかぎり、

彼らに渡してやった、

そして棺にそっと入れていた、

白いカーネーションのブーケの事は、

この時期が来ると、

心の奥深いところから、思い出されてくることだろう。。。